新型コロナウイルスはすでに感染爆発を起こしている!?

皆さんこんにちは。はてなクマです。

2020年1月15日に国内で初の感染例が報告された新型コロナウイルスが全国で猛威をふるっています。それから3ヶ月が経とうとしている現在、日本の感染者数は中国や欧米と比べても低い水準で抑えられていますが、ここ数日の感染者数の増加ペースは明らかに以前と異なっています。

4月7日に政府より非常事態宣言が発出されて3日経ちましたが、厚生労働省によって発表された感染者数の推移を調べてみると新型コロナウイルスは、すでに「感染爆発」のフェーズに入っているように見えます。

本記事では、この先の感染者数の推移を予測するために、これまで厚労省が発表したデータを対数グラフ上で分析してみました。今後1、2週間で感染者数の増加ペースが遅くならなければ日本での感染爆発が現実となり医療崩壊が起きることは避けられません。本記事が自分自身や大切な人の命を守るための行動を起こすキッカケなれば幸いです。

新型コロナウイルス感染者数の推移

4月10日現在までに厚労省より発表されている新型コロナウイルスの感染者数をグラフにしました。

2020年1月15日に新型コロナウイルスの感染者が初めて観測されました。2月中や3月上旬では比較的緩やかなペースで1日に数人、あるいは十数人ずつ感染者が増えていきました。

ところが3月後半に入ると感染者の増加ペースが一気に加速し、1日当たり数十人もの新規感染が確認され始めました。そして3月28日には国内で初めて1日の感染者数が100人を超えました。

グラフ中においてオレンジ色で示したのは3月27日以降の感染者数の推移です。緑色で示したそれ以前の領域とは明らかに感染者数の増加スピードが変化していることがわかります。

感染爆発はすでに始まっている

感染爆発の定義を見てみましょう。非常に強い感染力を持ち、ヒト−ヒト感染を起こすウイルスでは1人の感染者から複数人への感染が発生します。さらに、ここから2次感染、3次感染が発生すると感染者数は指数関数的に増加していきます。これがいわゆる感染爆発(パンデミック)と呼ばれる状態です。この段階に入ると、感染者の隔離や治療による回復が追いつかなくなり、感染症の制御が不能となってしまいます。

感染爆発が起きているかどうかの判断材料の1つは、感染者数の増加スピードが「指数関数的」かどうかです。

指数関数とは \(y=e^x\) と表される関数で、倍々で増えていくような量を表す時によく使われます。増加スピードのイメージは

\begin{eqnarray} 1+1&=&2\\ 2+2&=&4\\ 4+4&=&8\\ 8+8&=&16… \end{eqnarray}

と同じ数を何度も足していく時の数の増え方です。はじめのうちは数があまり増えていかないように見えるかもしれませんが、この計算を10ステップ繰り返すと1024、20ステップ繰り返すと100万、30ステップで10億になります。そしてこの指数関数は対数グラフ上にプロットすると直線になるという性質があります。

さて、話を元に戻しましょう。今度は新型コロナウイルスの感染者数の推移を対数グラフ上に描いてみました。すると、3月中旬に一度鈍化した感染者数の増加スピードが、4月に入り再び加速していることがわかります。そして、その増え方はまさに対数グラフ上で直線的に増えていることがわかると思います。

新型コロナウイルスの感染者数を調べるPCR検査には約2週間の遅れがあることを考えると、3月中旬の鈍化は2月下旬に日本政府より発表された新型コロナウイルスに対する対策基本方針、WHOによるコロナウイルスの危険度引き上げ、そしてディズニーランド休園や一斉休校により国民の危機感が高まった時期とかさなります。

しかし、その後2週間経って感染者数の増加速度は上昇に転じており、いわゆる自粛疲れも手伝い感染が加速してしまったと読み取れます。いずれにしても、現在の感染者数は紛れもなく指数関数的に増えており、感染爆発とも呼ぶべき危険な状況であることは間違いありません。

今の状況が続くとどうなるか

今のまま感染者数が指数関数的に増加し続けるとどうなるのでしょうか。実際の感染者数のデータに指数関数をフィッティングし、未来の感染者数を予想してみました。

図中に示した赤線はこれまでのデータから予測した今後の感染者数の推移を表しています。このままのペースで感染者数が指数関数的に増加し続けると、4月17日には国内の感染者数が1万人を超えます。そして、ゴールデンウィークから1週間後の5月12日には10万人を超える人が感染します。

感染者数がここまで膨れ上がると、もはや現状の医療体制ではカバーしきれなくなり医療崩壊が現実になります。

4月11日現在、新型コロナウイルスによる致死率は医療崩壊ギリギリのアメリカで約3.7%、そしてすでに医療崩壊が起きてしまっているイタリアでは約9.3%にもなります。

もしこのままの速度で感染者数が増え、日本で医療崩壊が起これば少なく見積もって致死率を3%としても5月12日には3000人の犠牲者が出ることになります。

まとめ

今回ご紹介したのは、これまでの新型コロナウイルス感染者数の推移を元にした簡単なデータ解析の結果ですが、指数関数的な感染者数の増加が抑えられなかった場合、ゴールデンウィーク前後には医療崩壊が現実味を帯びてくるのは間違いありません。

医療崩壊による致死率の悪化は日本経済に甚大な影響を及ぼし、なにより多くの人命が失われるのは避けなければなりません。

目に見えない敵である新型コロナウイルスを封じ込めるためには皆さん一人一人の行動を変えるしかありません。逆に、私たちの行動次第でこのウイルスの脅威を軽減することは可能です。本記事における試算が現実にならないように、今後の行動を今一度考えてみるのはいかがでしょうか。

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